有機ELニュース

 

2017年8月10日 【有機エレクトロニクスで世界をリードする山形大学】

 

 山形大学は産官学連携を積極的に推進する大学として広く知られている。その原動力となるのが同大学6学部を横断的に支援し、学部間の共同研究、連携強化を推進し、イノベーション創出を促すための組織「国際事業化研究センター」だ。同センターは、この春に組織を刷新、元NEC PCで執行役を務める小野寺忠司氏が新センター長に就任した。米沢市にある同大学工学部を訪ね、近況を聞いてきた。
 山形大学工学部は米沢市に1910年にできた米沢高等工業学校がその前身だ。1学年約650名という学生数は工学部としては規模の大きい方だという。繊維研究で知られ、繊維事業者としての帝人も、同校をベースに創業している。以来、米沢は国産化学繊維レーヨンの町として知られてきた。
 一方、現在の工学部大学院は理工学研究科と有機材料システム研究科を擁し、学部生の半数が大学院に進学する。
 「外部資金の受け入れ状況としては約20億円くらいでしょうか。この5年間で50%の伸びとなっています。地方の大学としてはものすごい伸び率ではないでしょうか」(工学部長飯塚博教授)。
 そしていま、米沢は有機エレクトロニクス研究のメッカだ。米沢キャンパスには有機材料システム研究推進本部が設置され、そこに5つのセンターがぶらさがるかたちでさまざまな研究が進められている。
 「地域は大学に無償の技術知見の提供を求めるし、研究者自身も金儲けを考えない。そこをなんとかしなければなりません」(飯塚工学部長)。
 実現不可能と言われていた白色有機ELの発見者として知られる城戸淳二教授は、有機材料システムフロンティアセンター長として、研究とビジネスを両立させる方法論の確立をめざす。
 

 

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